2022/11/30

世相を詠む 2022.11.30

 年の瀬や 値上げラッシュに 対抗し

          ふるさと納税で 必需品得る



『和歌の注釈』年末は、「ふるさと納税」の納付期限です。コロナ禍の巣ごもり需要の拡大で、全国の自治体がふるさと納税を受け入れた額は、コロナ禍前の2019年度に比べ2021年度は1.7 倍に増加しました。

 ふるさと納税の返礼品といえば、スタート時から高級な肉製品や魚介類、フルーツ等の贅沢品が、人気を集めました。ところが、今年の春以降の値上げラッシュで、トイレットペーパーやティッシュペーパー等の日用品や、普段の主食の米、さらに食用油、調味料、ビール等々食料品、酒類を返礼品に、との希望が増えているそうです。ふるさと納税の返礼品は、生活必需品で、というのが今年のトレンドだそうです。世相を詠む一首です。


 「ふるさと納税」とは、本来納めるべき税金の一部を、自分の故郷の自治体、または応援したい自治体に納める。その地方行政に役立ててもらう制度です。詳細は各自治体の広報等を参照してください。寄付した年の所得にかかる税金の控除等も所轄の窓口に問い合わせてください。


 返礼品に対する希望品の変化に敏感に反応して、地元の特産品(農水産物、工業製品、その他)を幅広くそろえて、ふるさと納税の受け入れを伸ばしている自治体が増えています。

 中には、観光地で「旅先納税」を展開する自治体も増えてきました。旅行中や出発前に、スマートフォンで手続きを済ませて、商品券をもらい旅先の現地で、宿泊、食事、レジャー施設、お土産品等の支払いができます。

 詳細は、それぞれの実施している自治体へ問い合わせてください。

2022/11/29

世相を詠む 2022.11.29

 厳冬が 追い打ちかける ウクライナ

        手をこまねいて 野望を挫けず



『和歌の注釈』2022年2月24日に始まったロシアのウクライナへの軍事侵攻は、9ヵ月になります。独裁者・プーチンの独自の歴史観、国家観による、理性なき暴虐非道な侵略戦争です。

 攻防は凄絶を極め、ロシア軍による残虐行為に踏みにじられた、ウクライナの国土は、悲惨な修羅場と化しました。

 アメリカ、NATO諸国をはじめ、日本も含め各国は、抗議、非難を繰り返すのみで、ロシアの暴挙を止める手立てを打てずにいます。見殺しに等しいといっても、過言ではないと思います。世相を詠む一首です。


 厳しい冬は、ウクライナの人々にとって、さらに、最悪の試練となります。人類が大量破壊兵器(核兵器)を手にした上での、「三すくみ」状態の中で、その盲点を突いたロシアの侵略行為は、限りを知らずの感があります。

 国際連合(国連)の機能不全気味な状況は、以前から懸念されていましたが、安保理常任理事国 5カ国の内のロシアの蛮行ですから、もはや、機能不全、脳死状態です。


 人類が、ホモサピエンスを先祖として約20万年間、数々の試練を経験し、乗り越えてきました。家族を作り、仲間を作り、集団となり、さらに発展して国家を形成するに至りました。

 幾多の殺りく、戦争を繰り返してきました。今の、この惨事を治める英知は、どこにあるんでしょうか。

野草に一首 2022.11.28

 シマカンギク 黄色く映えて 瑞梅寺

          林縁際立つ 日和なりけり



シマカンギク(島寒菊)


『和歌の注釈』冬日和の柔らかい日差しに照らされて、シマカンギクが群生しています。瑞梅寺の林縁(りんえん、林の端)を通る道端にです。草木の中で際立つ印象的な色彩でした。その情景を詠みました。


 地元の人は承知していることですが、「瑞梅寺」というのは瑞梅寺というお寺があるわけではありません。古くからの地名、川の名称です。ダムの名称でもあります。なんでも、江戸時代かその前かは定かではありませんが、瑞梅寺というお寺があったらしい。との説もあります。瑞梅寺川は、私の和歌や、俳句にもよく登場しますので、ちょっと、触れておきます。


 シマカンギク(島寒菊)キク科、キク属、多年草です。日本固有種です。近畿以西に分布しているシマカンギクは、日本人に親しまれている園芸種の菊の改良原種のひとつです。日頃目にする色々な菊の、ご先祖様ともいえます。



鮮やかに群生していて、人目を引きます。

2022/11/27

情景に一首 2022.11.27

 移ろいて 揉み出す色や 伊都国の

         山野は紅葉の 盛りなりけり



もみじの色づきも本格化


銀杏の色づき


『和歌の注釈』やや暖冬気味で、糸島地方の遅かった紅葉の色づきも、ようやくグラデーションがはっきりしました。今が盛りです。その情景を詠みました。



赤色のこうよう、黄色のおうよう、褐色の褐葉と多彩です。



陽の光によっても、色彩が変わって見えます。



レオンも思わず、うーむッ、ワンダフル!!



まるで、詫び寂を理解しているようにも見えます。



色合いも絶妙だワン。




好天に恵まれ、紅葉狩り日和です。




辺り一面、鮮やかな散り紅葉の絨毯です。



2022/11/26

道すがら 野草と一句 2022.11.26

 薄暗き 路地を照らして 花ヤツデ



ヤツデの花(天狗の羽団扇)


『俳句の注釈』薄暗い路地を、別に光を発しているわけではないですけど、白い放射状の丸い「ヤツデの花」が明るく咲いています。まるで薄暗い路地を、照らしているような、印象を受けます。そんな情景を詠みました。


 ヤツデ(八手)ウコギ科、ヤツデ属、常緑低木で、日本固有種です。世界中にも分布しているようです。11~12月ごろ開花します。名前の由来は、掌状に7~11裂する葉を、手に見立ててのようです。八は、葉の切れ込みが多いという意味からです。

 園芸種も数種類あって、庭や公園とかでもよく見かけます。野生種も身近な山野で多く自生しています。

 別名が「天狗の羽団扇」とあるように、古くから馴染みの深いヤツデです。伝説や昔ばなしに出てくる天狗は、必ずヤツデの葉の羽団扇を手に持っています。

 





2022/11/25

情景に一句 2022.11.25

 陽が差して はかなく消える 朝露かな



露の水滴が光っています。



『俳句の注釈』今朝は、夜間の放射冷却が強かったらしく、一面びっしりと露が降りています。霧も少し発生していました。画像は、刈取りの後の稲の切り株に伸びた葉です。露の水滴が光っているのは、日の出後、このあたりに陽が差してきたからです。
 写真は、07:20 a.m. に撮りました。今日の日の出は 06:59 a.m. です。今の季節は、太陽は日向峠辺りから登ります。

 もう少し太陽が登り、気温が上がりましたら、露は、たちまち乾いて消え去ります。はかなくです。その情景を詠みました。



まぶしい陽の光です。


2022/11/24

情景に一首 2022.11.24

 朝ぼらけ 瑞梅寺川 河畔道

        静寂中に 枯葉踏む音



『和歌の注釈』今日も、あえて画像は掲載しません。バーチャルリアリティの効果を最大限に発揮して、皆さんの脳裏に、情景を呼び起こすためです。その情景は、それぞれの経験や記憶によって、違いはあります。


 「朝ぼらけ」は、夜がほのぼの明けるころです。11月24日、今日の日の出は 06:58 a.m. でした。少しひんやりしていましたが、風もなく気持ちいい明けがたでした。瑞梅寺川の桜並木道を上流に向かって歩きます。

 桜紅葉も、ほとんど散りました。その枯葉を踏みながらのウォーキングです。静寂を破るまではありませんが、静けさの中での音です。

 どうですか? あなたなりの、どんな光景が脳裏に浮かびましたか? 枯葉を踏む音と、感触はどんな感じですか?    以上、今日の一首でした。


 虚構の世界を創り出したり、ある情報により、虚構、仮想空間を即時に共有する世界やその能力のバーチャルリアリティです。別にヘットマウントディスプレイをつけなくても、即時に共有する手段、手法は色々あります。



2022/11/23

情景に一句 2022.11.23

 葉先から ぽつり雨だれ 冬時雨



雨だれがポツリ、、、と。


『俳句の注釈』夜中から降り始めた雨が、お昼前まで小降りながら、断続的に降りました。しとしと、、、。物静かに降り、木の葉の先からは、雨粒がポツリ、ポツリ、、、と落ちる情景を詠みました。


 時雨(しぐれ)は、冬の雨や時雨月などと「冬の季語」です。特に、時雨月(11月)初冬の頃を指します。例年、この時期は、通り雨や降ったりやんだりの小雨が、意外に多いんです。

 私の住む地方は、今年の初冬は雨が少なく、10月末から11月へと、雨なし日が20日近くまで記録を更新していました。今日の雨も、久し振りって感じでした。

2022/11/22

情景に一句 2022.11.22

 冬めいて 指先冷たし 田んぼ道



『俳句の注釈』今日は、あえて画像は掲載していません。ですが、この句を読んだ皆さんは、即時に冷え込む田んぼ道を、歩いている情景を思い浮かべたでしょう。どこの田んぼ道かは、それぞれの経験、記憶等によって違うとは思います。冷え込んで、ほほや、指先が冷たくなった感覚も思い浮かべたと思います。

 これも、文字を使って表現する「バーチャルリアリティ」のひとつです。映像を見ないで、皆さんの経験とか、知識、想像力によって脳裏に浮かんだのは、どんな光景ですか? 私は、いつものウォーキングコースでの今朝の実体験です。今日の一句も、皆さんの心の中に、バーチャルリアリティな空間を呼び起こすために詠んだ一句です。

 

 虚構の世界を創り出す「バーチャルリアリティ」は、ヘットマウント・ディスプレイを使ったり、メタバース等は益々進化の延長線上にあります。しかし、その起源ははるか太古にさかのぼります。神話など実体のないものを信じられるようになった人の能力にあるといいます。

 目の前にないものを、文字や言葉で表現して即時に共有する。人類が集団を作るのに役立ち、一緒に行動するチームワークができました。体力的には、劣勢だった私達の先祖のホモサピエンスが、一対一では勝てない、体格も体力も屈強なネアンデルタール人に、勝利した要因のひとつといわれています。


 小説、詩はもちろん、五七五七七の31音で表現する定型詩である和歌と、五七五の17音で表現する定型詩の俳句も、まさに、バーチャルリアリティです。別に、ヘットマウント・ディスプレイを使ったり、メタバースによらなくても、虚構の世界を創り出すことはできます。

 音楽も、そうです。クラシック音楽も、ロック、ポップ等の現代音楽も、やはりバーチャルリアリティです。


 バーチャルリアリティに関しては、2022.11.11 エッセイ集【愛犬の寝言】5 でも、触れています。このテーマは、今後も折に触れて取り上げていきたいと、思っています。

2022/11/21

情景に一句 2022.11.21

 冬ぬくし 紅葉もはしりの 伊都の里


モミジ(紅葉)色づきも始まったばかりです。


『俳句の注釈』糸島地方は、紅葉のシーズンも朝晩の寒暖の差があまり激しくないこともあって、色づきも遅く、色づいてもはっきりとしたコントラストは、山間地区へ行かないと、期待できません。写真のモミジは、そのはしりです。その情景を詠みました。


 とはいうものの、気象庁の向こう 3か月の天候の見通しでは、気温は「平年並みか、低い」との見込みです。コロナ禍とあいまって、インフルエンザの流行も懸念されています。ご用心、ご用心!!

2022/11/20

ライフ 2022.11.20

 「深呼吸」と「解剖学的立位肢位」の勧め


深呼吸 伸びして胸を 反りかえる

       天空に白く あかつき月かな


暁月(あかつきづき)


『和歌の注釈』今日のウォーキングは、07:00 a.m. に出かけました。ひんやりとした空気を大きく吸いながら、手のひらを前に広げて、腕を上げて深ーく、深呼吸をします。このストレッチを、私はいつも、出がけに3回程。歩きながらも、時々繰り返します。
 思いっきり、胸と頭を反らして深呼吸する天空のほぼ真上に、月齢25.7 の白い暁月(明け方に見える月)がありました。その情景を詠みました。


 今日の日の出は、06:54 a.m. です。天空は、快晴ですが、北東方向に少し薄い雲があります。
 
 「深呼吸」と「解剖学的立位肢位」を組み合わせたストレッチは、現役の頃からの、私の習慣です。一日の内に折にふれて、繰り返します。一度に3~5回程です。その時々に、リフレッシュして、気分一新をはかる意味もあります。


 大きく、深ーくする深呼吸は、自律神経機能を整える働きがあります。自律神経のバランスが崩れてしまうと、免疫力の低下につながります。生命を維持する機能である自律神経機能で、自らコントロールできるのは、呼吸だけです。日々の生活、仕事中とか、つい、浅く短い呼吸になりがちです。

 解剖学的立位肢位は、腕と手は、体の左右に真っ直ぐ下ろす。肘を伸ばし、手の親指が体の外側になるように、手ひらを体の前に向けた姿勢です。
 
 大きく息を吸い込みながら、手ひらを体の前に向けた姿勢で、ゆっくり腕を上にあげて、胸と頭をしっかりと上に反らします。頂点に達したところで、息と動作を3秒程、止めます。

 その後、ゆっくり息を吐きながら、動作もゆっくり元の姿勢にもどります。場合(人)によっては、足を肩幅の広さに開くといいと思います。私は、リフレッシュ効果を充分感じます。


 パソコンに向かっていたり、料理をしていたり、生活や仕事中などで、知らない間に「前かがみの姿勢」になりがちです。現役中に、通勤電車の中や、駅のホームで、スマホを覗き込んで前かがみ、の光景を、自戒しながらも、毎日見てきました。なんともはや、、、。

 皆さんも、一日の内何回か、「深呼吸」と「解剖学的立位肢位」を組み合わせたストレッチを、試してみてはいかがですか。
 
 効能には、個人差があります。




2022/11/19

ライフ 2022.11.19

 寒暖差 上着をぬいで 冬浅し



ハゼの木


『俳句の注釈』季節の変わり目は、気温の変化が急激で、体調管理にも気を使いますね。ウォーキングも、その日の気温や風の強弱で着ていく服を、調節します。今日も、8,000歩を過ぎたあたりで、上着をぬいで腰に巻きました。初冬の気候は、初春の頃と同じように「三寒四温」を繰り返す傾向にあります。その情景を詠みました。


 この季節の変わり目の頃、「寒暖差疲労」という言葉がよく聞かれます。大きな気温の変化に、人の体温を一定にコントロールする働きをするのが、自律神経です。急激な気温変化を繰り返すと、自律神経も活発に働きます。

 その結果、過剰にエネルギーを消費することになり、身体に疲労が蓄積してしまうということです。日頃の服装や体調管理に気を配る必要があります。


今日の色づきです。


2022/11/18

和製ハーブに一首 2022.11.18

 クサギの実 紅紫の ガク纏い

        熟す藍色 異彩放ちて



クサギ(臭木)の実



『和歌の注釈』初冬の雑木林の中で、スペードのような大きな葉を付け、実も意表を突くような形と色合いです。あまり一般的には知られていませんが、クサギ(臭木)は和製ハーブのひとつです。通りかかったら、すぐ目につきます。そのくらい、個性的な雰囲気です。その情景を詠みました。

 クサギ(臭木)はシソ科の中高木、落葉樹です。若葉は食用(和製ハーブ)、果実は染料、根は薬用と、最近は一般的に利用は少ないようですが、かつては、多方面に重宝されたようです。私は、食べたことはありませんが。
 夏から秋にかけて白色、ピンク色や赤みがかったピンク色の花が咲きます。




今は、赤い萼が反り返って開いています。



春に芽吹く新芽や若葉は和製ハーブとして利用されます。



 


2022/11/17

道すがら 野草と一句 2022.11.17

 カタバミや まだ輝ける 伊都の冬


カタバミ(片喰)


『俳句の注釈』カタバミの開花時期は、初夏から晩秋の頃とされていますが、この辺にはまだ元気に咲いています。ハート型の葉と明るい黄色の可憐な花です。見る目にも、心を晴ればれとさせてくれます。その情景を詠みました。


 カタバミ(片喰)カタバミ科、カタバミ属、多年草です。世界中に分布していて、日本でも固有種です。地球上を席巻しているわけですから、その繫殖力の強さがうかがい知れます。

 古くから、日本の風土にも馴染み、親しまれています。平安時代の清少納言も、「枕草子」の中で、「他の草より趣がある」と、葉の形の美しさを称賛しています。



他の草々とも共存するように群生しています。



 フランスやスペインでは、カタバミを「ハレルヤ」と呼ぶそうです。日本でも花言葉に「喜び」「輝く心」や他に数個あります。


岩場でも根を張り、茎を全方向に広げています。




 別名は鏡草、酸葉、しょっぱ草など多彩です。カタバミという名前も、地方によって異なる呼び名を持っているとのことです。




2022/11/16

野草に一首 2022.11.16

 艶やかに 小春日和で 映える黒

        印象深き 熟すヤブラン



ヤブラン(藪欄)の果実ように見える種子


『和歌の注釈』樹木の根っこや草むらに、ヤブランの種子(シュシ)が、柔らかい小春日和の中で、無彩色ですが、黒く光沢を放っています。その存在感は印象的です。そんな情景を詠みました。
 

 ヤブラン(藪欄)ユリ科、ヤブラン属、常緑多年草で、日本固有種です。細くて長い葉が欄に似ていることが名前の由来と言われています。夏から秋紫色の花が開花します。残念ながら、その時期にこの辺に足を運んでいません。



最初緑色で熟すと黒くなります。少し緑が残っています。



和欄の葉に、この様な形の葉がよく見られます。



果実は皮が早く落ちて、種子がむき出しになり、風で落ちやすい。




2022/11/15

和製ハーブに一句 2022.11.15

 ヨモギ茶の 香気とともに 冬めける



       煎りたてのヨモギ茶を、淹れました。       


 『俳句の注釈』立冬の7日に、ヨモギを摘んできて作ったヨモギ茶を煮だすと、ヨモギの香りが、ほのかにただよいます。味も独特なヨモギの風味です。温かいヨモギ茶にほっこりする今日この頃、季節は冬めいてきました。という情景を詠みました。


 ヨモギの新芽は、春が一般的ですが、今の時期も盛んです。8日前に摘んで、天日で干して乾燥させました。(天日干しは実質3日間)今日はそれを乾煎りして、ヨモギ茶にしました。


ヨモギの新芽


柔らかい部分を摘みます


乾燥したヨモギを、小さくちぎって乾煎りします。


香ばしく均一に茶色になったら、できあがりです。


2022/11/14

道すがら 野草と一句 2022.11.14

 吹く風に ミズヒキゆれて 藪の中


ミズヒキ(水引)

 『俳句の注釈』水源地近くの集落のそばの茂みで、見つけました。線のように細くて長い花径が、小さな赤い花ビラをつけて、風にゆれています。
 ほかの草木にまぎれて、ようく見ていないと、見落してしまうくらいです。ひっそりと、です。その情景を詠みました。
 
 ミズヒキ(水引)タデ科、イヌタデ属の多年草(冬落葉)です。日本固有種です。花期は8月~11月。ミズヒキの名前は、上から見ると赤、下からは白く見えることから、贈答品に飾りとして付ける紅白の水引に、なぞらえたことに由来します。

約40センチ程の花茎に、小花がまばらに咲いています。



2022/11/13

道すがら 野草と一句 2022.11.13

 里山に サザンカ咲いて 冬模様


サザンカ(山茶花)

 孫の要望で、注釈をつけます。

 里山の林に自生する原種サザンカは、花は白く一重咲きです。サザンカが咲いたのを目にすると、木枯らしの吹く冬を連想しますね。山野の季節の変わり目の様子を詠みました。俳句の冬の季語です。                              

 サザンカ(山茶花)ツバキ科、ツバキ属、常緑広葉樹、日本固有種です。花期は10月から12月です。瑞梅寺ダムの水源地である、井原山の中腹にある集落を訪ねました。

 原生林と思われる木々の中に、生えていましたので、人による植樹ではなく、古来からここで花を咲かせてきた原生種と、思われます。


人の手による品種改良とは無縁の、素朴さがあります。


2022/11/12

野草に一首 2022.11.12

 冬ひなた とげが輝く 野アザミの

         むらさき頭花も 凛と映えけり



野アザミ(野薊)
 


 孫の要望で、和歌の解説をします。
 初冬の日が差す野辺に、その陽光をあびてアザミが咲いています。アザミといえば、だれでも、ギザギザのトゲを連想しますよね。その葉のトゲが陽光で、際立っています。紫色のトゲみたいな花びらも、パッと放射状に、四方八方に開いています。凛として、まるで何かを主張するようにです。という様子を詠みました。感じ方には、個人差があります。

 アザミ(薊)は、キク科、アザミ属及びそれに類する花を総称した植物です。アザミと一口に言いましても、日本に生息する種類は、150種を超えます。その内の50~80種が、日本に原生する固有種です。

 花の色、様子、サイズも微妙に違います。開花時期も園芸種は4~7月ですが、野生種は種類によって開花期も違い、秋も冬でも咲いています。野生種は本来、多年草です。

 この辺に、今咲いている野アザミは、まさに野生種で日本固有種です。



総称アザミで、種類の特定はできません。


こちらは、色合いが赤紫です。



こちらも、少しおもむきが違います。


2022/11/11

エッセイ集【愛犬の寝言】5 2022.11.11

 「感性とポテンシャル」2022.11.11

 まず、一首


感性が 潜在能力 引き出して

      仮想の思いも 現実ならしむ


VR.バーチャルリアリティでお馴染みのゴーグル


 今日は、チョット変わった趣の和歌になりました。なぜかと言いますと、私のこのおじいちゃんの blog を、孫が見てくれているんです。となりますと、少しは若い世代の読者にも、「うむーッ。」とうなずいてもらえそうな話題や、テーマにも取り組まないと、、、。と思った次第です。

 

というわけで、なるべく堅い話や、肩の凝るようなテーマは極力さけるつもりです。どれほど、共感を得るか?は疑問ですけどね。

 とはいうものの、最初にこれだけは触れておきたい事があります。それが、手始めに上記の一首となりました。

 社会へ出たばかりで、今まさに悪戦苦闘している孫への応援歌です。blog の和歌と、俳句の意味が、、、。(解りにくい。)と孫に言われました。

 ネットやSNS 等を見ていますと、今の若い世代の中にも、和歌や俳句をけっこう使いこなして、なじんでいる人が多いとは感じていますが。それはそれとして、解説を入れようと思います。

 

 感性と潜在能力:感性とは、感受性、人間の持つ印象を受け入れる能力。知覚能力のひとつです。人生のビジョンを描いたり、具現化していく過程や、人間関係、ビジネス等において、豊かな感性が必要となります。天性もありますが、自己啓発でも、高められます。詳細は省略します。

 潜在能力とは、ズバリ「ポテンシャル」です。人が備えている潜在能力、将来への可能性、発展性のことを言います。これも、天性もありますが、自己啓発でも、高められます。


 仮想の思いも 現実ならしむ:仮想とは、若い人達の方が、詳しいと思いますが、VR バーチャルリアリティです。無いものも、有るものと思える力、メタバース(3次元仮想空間)などで注目されています。

 虚構の世界を創り出す「バーチャルリアリティ」は、人が人生のビジョンを描き、それを感性とポテンシャルを日々の努力で磨き、研ぎ澄ましながら、具現化していく。そのものに、通じるものです。

 仮想のビジョン、取り組む仕事への目標と、希望を現実のものに変える。「ならしむ」です。ゴーグルは付けないで、自分の目で見て、手で触って、心の感性で感じ取りながらです。


 その意味を込めて詠んだ、一首です。必要があれば、機会を改めて掘り下げていきましょう。うなずけましたか?

 

 私も、かれこれ半世紀の昔になりますが、社会に出たてのころ、よく腕を組んでは、考え込んだものでした。次回は、軽いテーマでいきましょう。

2022/11/10

野草に一首 2022.11.10

 つわのはな 黄色く群れて そこかしこ

         咲いて知らせる はつふゆなれり



ツワブキ(石蕗)
                       
 

 ツワブキ(石蕗)キク科、ツワブキ属、常緑多年草で、日本固有種です。古くから観賞用や、山菜として食用に親しまれてきました。特に、佃煮きゃらぶき(伽羅蕗)は日本の伝統の保存食です。フキ(蕗)とともに、その材料ですが、九州地方ではもっぱら、きゃらぶきといえば、ツワブキが材料です。

 山菜としては、初春のころ若葉を摘んで利用します。あくが有りますから、手袋をしていないと、指先が黒くなります。皮をむく時もそうです。

 黄色い花、艶のある丸い葉、その容姿の魅力も、捨てたもんじゃないでしょう。


花言葉は「いつも笑顔で変わらない。」



葉は、円心形で分厚く、艶があります。


2022/11/09

野草に一首 2022.11.09

 川沿いの 陽光浴びる 傾斜地に

        殷賑きわめて 咲くヤクシソウ



ヤクシソウ(薬師草)

 ヤクシソウ(薬師草)キク科、オニタビラコ属の二年草(越年草)です。日本固有種です。名前の由来は、薬師如来を思わせますが、諸説あってどれも定かではありません。

 そろそろ、冬の気配を感じさせられる今日この頃ですが、このヤクシソウは、斜面の草地に溌剌と、陽気に、パット上を向いて、なおかつ、賑やかに咲いています。


この時期、陽気に、、。たのもしいですね。


2022/11/08

情景に一首 2022.11.08

 「皆既月食に一首」


望月や 何を思案か 皆既して

       赤銅色に 顔を隠せり


05:42p.m.月食前の満月


 皆既月食 2022」です。今日の月の出は、05:14p.m. 月齢13.7 の満月(望月)です。日没が 05:21p.m. ですから、薄明るい中での月の出です。月食は 06:09p.m. 頃から始まり、07:16p.m. 頃から 08:42p.m. 頃まで、約1時間25分の間、皆既を継続して、その後、徐々に満ちていき 09:50p.m. 頃終了しました。

 赤銅色の望月(満月)が、約1時間半にわたり、糸島の上空に浮かんでいるのを見ることができました。撮影は、一眼レフカメラを使用しました。


月食開始 06:10 p.m.


06:30 p.m.


06:44 p.m.


06:49 p.m.


06:56 p.m.


07:02 p.m.


07:57 p.m. 約1時間半赤銅色に皆既食を継続しました。

ライフ 2022.12.28 「手で文字を書く、筆をとる。」ということ。

  暮れ間近 万年筆の ペン先を         洗い清めて 歳納めかな              インクを、本体吸入式 『和歌の注釈』インク吸入式の万年筆のメンテナンスで、ペン先、ペン芯に加えて吸入部(インタンク)も含めて洗浄しました。  この暮れは、仕事納めもありませんので、...